プレー前の状況

- 画面左の黄色チームDFは、逆サイドへのパスコースをしめる動きをしている
- 逆サイドの赤チーム選手には、黄色チームDFがマークについている
- 同サイド前方へのパスコースは、マーカーが接近しながらコースを消している
- 後方へのパスコースは残っている
プレー内容の整理

オフェンスの動き(赤チーム)
- 7番選手が中央方向へ運ぶドリブルを行う
- その後、後方へのバックパスを選択する
ディフェンスの動き(黄色チーム)
- 直近のマーカーはドリブルについていき、中央寄りのポジションを取る
- 2人目のDFは逆サイドへのパスコースを切る位置にいる

オフェンスの動き(赤チーム)
- 画面中央の味方選手は前方向へ上がっていく
- その結果、両サイドへのパスコースが生まれている
ディフェンスの動き(黄色チーム)
- 5番選手は、赤チーム選手の前進に対してついていく動きをしている
プレー内容の考察
プレー前の状況について考察します。
①同サイド前方へのパスコースは、ディフェンスによって切られています。
②バックパスを選択した場合、黄色チームの前線選手がプレスに出てくることが想定され、状況が悪化する可能性があります。
③逆サイドへのパスコースは一応ありますが、逆サイドのマーカーは腰を落としてサイドステップで対応しており、逆サイドに出してもバックパスで戻される可能性が高いです。
以上から、この場面では黄色チームの守備陣形がうまくはまっていると考えられます。
この状況下で、ボール保持者は中央へのドリブルを選択し、その動きに黄色チームのマーカーはついていきます。
さらに、その後のバックパスのタイミングで、ボール保持者は前方へ上がる動きも見せます。これに対して黄色5番はついていき、結果として黄色チームの2名が中央エリアで密集します。そのぶん両サイドにパスコースとスペースが生まれており、相手を引きつけることで味方選手に時間とスペースを供給できていると言えます。
このプレーから学べること
敵を引き付ける目的は、スペースを生み出し状況を好転させることにあります。今回のドリブルは派手さこそありませんが、味方に時間とスペースを与えたという点で、非常に有効なドリブルだったと言えます。ご自身のドリブルを振り返る際には、「どんなスペースが生まれたのか?」「そのスペースは味方にとって有効だったのか?」という観点で見直してみると、新たな発見があると思います。
プレー前の状況では、バックパスは状況が悪化する可能性を伴う厳しい選択でした。しかし、いったん相手を引き付けてから行った今回のバックパスは、味方に余裕を生み出す「最良の選択」になっています。バックパスのプレーを見返すときも、「結果としてチームの状況が良くなったのか、悪くなったのか」という視点で振り返ると、多くの気づきが得られると思います。
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